言葉

日常のひと休みに

付喪神65

 久しぶりのオイラの出番だ。

 主君はよくわからないことを言っていたが、なんとなく心の平穏を取り戻したようにおもう。

 人は日々の中で心乱されることばかりのようだ。その中で人は何かと折り合いをつけるために、色々な理由を考えたり、何かを知ろうとしたりするのだろう。

 主君をみていて、オイラはそんなふうにおもった。

 人というのは曖昧でよくわからず、ふらふらしているのだとおもう。だからこそ人は人であるのかもしれない。

 いつかオイラが人のことをもっと理解できたなら、主君の悩みや主君のことが今よりわかるようになるだろう。その時は、今よりも主君とのつながりが強くなるかもしれない。