言葉

日常のひと休みに

付喪神㊴

 おい、主君、主君よ、オイラの話を書くんじゃなかったのか!?あんたの恋の話なんて誰も興味がないぞ。しかもすべて断片的な思い出じゃないか。キャラが違いすぎるだろう、何だかオイラの方が恥ずかしくなってくる。

 主君にもそんな時代があったのだなと、オイラは思うが、今の主君からは想像できない。

 主君は今でもその彼女のことが好きなのだろうか…これは届くはずのないラブレターなのか、それとも忘れたくない思い出を書き綴っているだけなのか。主君が何をしたいのかオイラにはわからないが、オイラがあまり茶化していいことではないことは何となくわかる。