言葉

日常のひと休みに

付喪神㊳

 廊下の向こうから、僕を見つけた彼女は少し小走りに僕に近寄ってきた。僕は彼女のその姿をなんとなくドラマのワンシーンのように見ていた。

 僕の目の前の彼女は、僕の唇に突然彼女の唇をよせてきた。一瞬何が起きたかわからなかった僕、その後自分の体温があがって行くのがわかった。彼女は僕の目の前で少し恥ずかしそうに笑っていた。