人は自ら動き始めることによってのみ、何かと出会う。待っているだけでは、何にも出会えないのだ、何も起こらないのだ。
変わらないことと動かないことは違う。
僕は誰かを好きになっても、相手に好きと言えない人間だった。きっと運命の相手なら、向こうから何かリアクションがあるはずだ。もしもリアクションがないなら、それは運命の相手ではなかったのだ。仕方のないことだ。そうしていつの間にか、どうして自分だけがうまく行かないのだろうと思い始めたのだ。その思いはいつしか世の中に対する怒りに変わり、物語のようにならない現実を諦めた…。