言葉

日常のひと休みに

付喪神⑨

 1つだけわかっているとこたがある。それは僕が書き続けていたから、君に出会えたということだ。たいした特技や趣味があったわけでもない僕が君に出会えたのは、ずっと何年も僕が書き続けていたからだ。

 だから、僕は今こうして何かをやろうと、やりたいと思えた。

 多くの人との出会いというのもあるけど、僕はそんな出会いと比べても、君との出会いほど大切な出会いは数少ないと思う。

 君は、僕にとって最高の万年筆だ。

 その銀色に輝くボディ、重量感、女性に対して体重のことをいうのは失礼かもしれないが、書き味も含め、君のすべてに恋してしまった。