言葉

日常のひと休みに

付喪神㉚

 何だかインクの出が悪い、インクが終わってしまったのか…僕はインクの残量を確認する。

 まだあるじゃないか。どうして急にインクの出が悪くなったのだろうか。もしかしたら、何か変なことを言って、いや、書いてしまったのだろうか。彼女が気に入らない何かを書いてしまったのだろうか。彼女の、彼女が、望まないことを、彼女が嫌がるようなことを。

 あれ?もっと出なくなった…書き難くなってしまったのか、いや、そんなはずはない。僕と彼女の相性は良いはずだ。初めてあったその日からビビッときたのだから。これは運命の人以外は考えられない。彼女こそ運命の人。雲の合間から差し込む光、そう、彼女こそ光そのものなのだ。