言葉

日常のひと休みに

付喪神78

 人の心は天気のようだ。オイラが天気っていうのも変かもしれないが、自然現象、オイラにとってはそんな感じだ。

 人間も自然を相手にどうにもできないことがあるように、オイラも同じように主君の心をどうすることもできない。こういうのを人はなんて言うんだっけ、まあいいや。

 今、主君はオイラを気に入って使っているけど、十年先はどうかわからない。オイラは、なにもないところで、ぽつんとしているかもしれない。真っ白か、真っ黒かの世界で。

 オイラは今、人の心に触れているから様々なものを見ることができるけど、誰もいなくなったらどうなのだろう。オイラにもっと力があれば…別なのかもしれないけど…。