言葉

日常のひと休みに

付喪神67

 主君が色々やって、おもって、書いて、1年が過ぎた。毎日オイラと過ごした時間だ。1年が、長かったのか、短かったのかは、わからない。

 オイラがこうして出てきたのは、その1年の後半だ。主君がその前からずっと、こうして書き続けていたことをオイラ知ってる。

 誰に話すわけでもなく、誰かのためにもならないことだったかもしれない。それでも主君は書き続けた。きっと主君のような人達は、この世界にたくさんいるのだろう。

 世界はつながったといっても、結局のところは、本当の意味では、つながっていないのだろうとおもう。

 でもそれは、これから先長い時間をかければいいことだ。そうやって本当の意味でつながればいい、オイラと主君のように。