付喪神72
言った、伝えた、教える、このちがいをそんなことはわかっていると思っている人は多いだろう。
でも、実際は無意識に同じだと、いや、教えるということを言ったでかたずけてしまっている人は多くいるとおもう。
言ったは文字通り言うだ。伝えたはそれより教えるに近い。つまり、言ったは自分以外は関係なく、自分だけで完結している。
伝えたは相手が存在する。少なくとも相手に言っただけでは、伝えたにはならない。相手が言ったことを聞かなければならないから。伝わったになれば、なおさら教えるに近くなる。伝わったは相手が主でなければならないから。
そして、教える。教えるは伝えるのではない。相手が理解しなければならないから。つまり、相手がどうおもっているのか、わかっているのかを知らなければならない。でなければ、教えることにはならない。