言葉

日常のひと休みに

付喪神73

 キャッチボールだ。

 投げたボールを相手が取って、それを投げ返す。それが教えることだ。

 言うは、ただボールを投げるだけ、どこに投げようが関係ない。

 伝えるは、相手に向けてボールを投げ、伝えたは、投げたボールを相手が取るだけ。

 教えるは、相手にボールを投げ、それを相手が取り、投げ方を知らない相手がボールを投げ返してくれるまでだ。

 投げるだけ、取らせるだけしかしない人が多いのではないだろうか。

 そこに相手は存在するのか、自己満足だけで終わっているのではないか。

 そんな景色を見ることが多くなった気がするんだ。傷つくのは教えられる側だ。それは教えるということから、より遠くへ離れてしまうことにおもえてならない。