言葉

日常のひと休みに

付喪神75

 矛盾を内に抱えている人の可能性は、相反するものを持つことができることではないかとおもう。

 反するもの同士が補い合えたなら、そこから新しい何かが生まれるのではないかとおもう。

 人は、辛いときや大変なとき、良いときや楽なときほど、反するものの一方に偏りがちになる。それはつまり、得意な方にだけ、好きな方にだけ、目を向けてしまうことにほかならないのではないだろうか。

 見方をかえれば、見えるものの見え方がかわる。見え方がかわれば、それが今までとは別のものになる。それは新たな可能性になるのではないだろうか。

 反するもの同士を持つことは、対立するのではなく、外から包むこと、内包することではないだろうか。