付喪神㉘
こうして君とともに文字を書いていて気づいたことがある。
それは、常識やそうだと思っていたことには、常に偏見がつきまとっていたということだ。
例えば、絵本は子どもの読み物、それなら大人向けのものは?どんな人に向けてのものでなければいけないのか?誰がそれを決めたのか?
誰にそう言われたのか?それなら、子どもが小説を読んではいけないのか?大人が漫画を少年誌を読んではいけないのか?大人向け、子供向けとは?子どもはこうあるべき、大人はこうあるべき。だから子どもだ、はやく大人になれ。
全てが偏見だ。こういうものだ。こうあるべきだ。その見方こそが偏見の始まりだ、その時に偏見が生まれる。
もちろん、こうあるべき、こういうものだ、という中に大切なものもある。
だから、偏見が悪いのではない。自分には偏見がないと思い込んでしまうことがいけないのだ。そこで可能性が失われてしまうのだ。