主君は時々わけのわからない難しいことを言う。ただ、オイラの存在が主君の想像による産物なのか、実在するものなのかはわからない。それはオイラにとっても主君にとっても大事なことではない。ただ、オイラが今ここにいるというのが大切なことなのだ。
主君の難しい話はよくわからないが、そのことはオイラにもよくわかる。それがどういうことなのかはわからない、ただ大事なことだということは感じるんだ。
オイラはオイラが生まれた時のことはよく覚えていない。でも、主君に会ってオイラはオイラになった。そのことだけは、はっきりとわかっている。