言葉

日常のひと休みに

付喪神⑤

 主君は自分のことを何もない人間だと思っているようだが、それは少し間違っている。

 人というのは、良いことも悪いことも自分のことというのは、自分では見えていないことが多いものだ。

 人が持つ才能というのは様々だ。それがわかりやすく世の中の役に立つことから、少し工夫をしないとそうならないもの、すぐに仕事に直結するものから、間接的なものまで様々だ。

 でも、ないということは無いのだ。もちろんその道での優劣はあるかもしれない。

 でも、それは無いということではないのだ。