言葉

日常のひと休みに

付喪神④

 私は何をしても冴えない人間だ。自分で自分のことをそう言えるくらいだから、他の人から見たら、相当なものだろう。

 何処へ行ったらいいのか、どちらへ向かえばいいのか、わからない。そんな中途半端な人間だ。

 何かの才能があるわけでもなく、ひとに誇れることもない。普通の人間だといったら普通の人に失礼になるようなそんな人間だ。

 なぜなら、普通というのはとても凄いことで、今の世の中に1番適しているということだ。普通というのを可も不可もないと解釈する人もいるかもしれないが、その人をとりまく状況がずっと何もないなんてことはない。だからその中で普通でいられるということは、とても凄いことだ。