言葉

日常のひと休みに

付喪神①⑤

 主君は速記なので、よくインクフローというのを気にしているようだ。ペン先の動きにインクの出が追いつかないと文字は書けない。主君はそれを1番気にしているようだった。

 ペン先の硬さやしなりというのもあるようだが、主君はそれはある程度コントロールできるらしい。でも、インクの出に関してだけは、どうにもならないようだ。

 そんな主君はオイラのことを名刀とよんでいた。切れ味がすごいと。

 女性だと思っているモノに刀という表現はどうなのかと思うけど、オイラにとっては悪い気はしない。

 名刀、刀は日本の伝説のようなものだ。オイラたち異国のモノからすれば、武士と刀は日本の伝説のような存在なのだ。