言葉

日常のひと休みに

付喪神㉑

 人は自然の中にいるのだ。人は何でも作り出せるように思っているかもしれないが、形あるものすべては自然からの恩恵を受けている。人が無から生み出せるものなんてないのだ。

 科学にしても哲学にしても、本来は自然を知り寄り添うことであるはずなのに、いつの間にか自然を超越しようと思いはじめている。とんでもない迷い道だ。だから大切なことから遠ざかって行く。

 人が唯一得意とするものは、形のないものの想像だろう。それも自然の恩恵を受けているけど、形ないものを形づくり人に伝えるのが上手い。それが人間の得意なものだろうとおもう。

 僕は君の美しさを見た時、そのことを思い出したような気がした。