言葉

日常のひと休みに

付喪神⑳

 本物の君は経年とともに変化して行くが、磨けば再び輝きを取り戻す。そして、以前とは別の輝きを放つようになる。

 人も同じで、年を重ねるごとに別の輝きを放つ。それでも根本の美しさは変わらない。そんな当たり前のことを今の日常は忘れさせる。科学や哲学に分析されて行く人、人はもっと混沌としている、割り切れないものだ。だから人は答えがあり、わかりやすいものを求めるのかもしれない。それは自然である自分から遠ざかって行く。人はそこから見た自分を知り、混沌の中で様々なものを受け入れ、その状態のままにしたまま持つ強さを本来は持っているのに、それを消し去ろうとする。大きな厄災にあわないと忘れてしまったそれを思い出せない。