言葉

日常のひと休みに

付喪神

百年以上大切に使われてきたモノには

何かが宿るという。

日本ではそれを付喪神なんて言うらしい。

百年以上使われてきて壊れないモノなら

よほど丈夫なものか

よほど大切にされてきたものかだろう。

百年以上ということは

多くの人の一生より長い

それはつまり

何世代かを渡ってきたということ

もちろん

一族の中でもあるだろう

何人もの人の中を渡り歩くものもあるだろう

それはつまり

捨てられずに人の中を生きてきた…

ということだ。

ものを大切にすることを教えるために

誰かが言い出したことかもしれない。

それは

実際に会ったものにしかわからないこと…

かもしれない。

木に精霊が宿るように…

何かに何かが宿る

もしくは

何が別のもう一つの顔を持つ

それも

会ったものにしかわからないこと…

かもしれない。

それでも人は

どうしようもなく何かを好きになってしまう

そんなことがある。

だから、

自分にとって大切なものを

そんなふうに思っていいのではないか

もはや

この世にいない自分の

かつての所有物…いやパートナー

そのパートナーがこの世に1人残されたなら

大切にしてほしいと願うことも

仕方ないことだと思う。

 

それが

幻想であっても

真実であっても

他人になんと言われようと

自分の中では

現実のものであると思うことは

悪いことではないと思う。

 

たとえ

会ったことがなかったとしても…。