透明人間の作り方
見えないようにして
機械音の言葉だけを発するようにした。
音が聞こえないようにして
誰でも書ける文字だけを見せるようにした。
全ての細かい表現は削除され
感情1つには1つの表現方法のみがあてられた。
誰が誰だかわからなくなった。
さらに誰もが同じ面をつけるようになった。
姿を消す必要はなかった。
全て同じにして、
そこに溶け込ませればよかった。
見える、聞こえる
透明人間は作られた。
太陽があたらなくなり
世界は悪意に満ちた。
透明人間の内側の
見えない、聞こえない
世界だけに光の欠片が残った。
いつ世界の悪意に侵食されるかという
恐怖に怯えながら…。