言葉

日常のひと休みに

付喪神59

 何もしない時間、無駄な時間、ただそこにあるだけの時間、そういう時間があるだろうか。

様々な効率をよくして、多くの使える時間を作り出したはずなのに、そういう時間がなくなったなら、それはより負荷をかけただけのものではないのか。

 どうして人は人を排除したがるのだろうか。

 自分と対話できないから、他者とも対話できない。自分と対話するには時間が必要だ。その時間がなくなってしまったら、他者と対話する時間がなくなってしまう。

 自分をみないから、他者がみえない。きっと自分の本当の姿をみないから、他者の本当の姿がみえないのかもしれない。