書くという行為

書くという行為

筆記用具

今はそんなものなくてもかける時代だ

誰もが同じ文字を書ける時代だ

綺麗も汚いもない

大きいも小さいもない

細いも太いもない

そこには何とか体という字体しかない

書くという行為が

打つという行為にかわった

文字はいつから

何とか体となったのだろう

人が書く文字は

その人だけのものだ

書くという行為は

その字も含めてその人の表現だ

書くという行為は

その字をとおしてその人があらわれる

読みやすい字

読みにくい字

付き合いやすい人

人と接するのが苦手な人

わかりやすい人

わかりにくい人

知っている言葉を使う人

知らない言葉を使う人

人を知るためにたくさんあったものが

失われてしまい

人を隠すためのものが

増えて行く

書くという行為

どんな道具を使うだろう

どんな道具が好きだろう

使ったことのない道具を

どんなふうに使おう

はじめは取っつき難い道具

はじめは取っつき難い人

力を入れて書く道具

力を入れて付き合う人

力を入れずに書く道具

力を入れずに付き合う人…

書くという行為…