逢魔時
昼と夜との境だけでなく境というのは多くある
ことの起こりの前後だ
ものごとは
起きてみなければわからないかもしれないが
兆しというものはあるものだ
それが初めてのことであっても
生き物は危機を察知する能力がある
なにかがある
その前に生き物が移動をするのが
それにあたると思う
危険な場所から逃げる
それは兆しに敏感であるということだろう
命というのを知っているということだろう
どうやら人は死の恐怖から
死を遠ざけてしまったために
これがなくなりつつあるのかもしれない
老いというのを遠ざけるのもその1つだ
老いを遠ざける
見ないようにする
嫌う
それは死への拒絶
生まれてから死へ向かうのは
道理であるはずなのに
人は神か超越者にでもなろうとしているのか
人は人でしかないのに
だからこそ
人であることを弱さを受け入れなければ
生きて行けないのに…