言葉

日常のひと休みに

付喪神①⑨

 大量に生産し大量に消費する。そんな時代がある。誰もが同じものを、誰もが新しいものを求める時代。有限のものを使っているのに、循環しない消費。経済、金銭をまわすために使い捨てを促して行く。

 それはいつしかモノだけではなく人にまでおよびはじめる。浸透して行く使い捨ての感覚は、金銭により支配され、いつしかすべてのものを使い捨てにする。

 使われなくなったものたちをゴミとよび、見えないように見ないように蓋をする。ゴミにならないためには価値を示し続けるしかない、偽りの価値を…。

 金銭に触れ続けた人たちは、いつしか琴線の奏で方を失い。自らが自らに嘘をつき、自らを失う。そしてそれが正しいと思いはじめる。偽りの価値、その中にあって君は輝いていた。