出世ペン
昔、成人した人へ
ペンを贈る文化がありました。
いつの間にか人はペンを持たなくなり、
その文化もなくなってしまいました。
そんな中、
ある国で有名なある筆記具メーカーが、
海をこえて別の国でも成功し、
その国でも有名なメーカーになった、
という話がありました。
今いる場所でも、別の新しい場所でも、
成功して有名になったそのメーカーのペンは、
その成功にあやかり、
いつしか人々の間で
出世や成功という願いを込めて
贈られるようになりました。
人事異動で部署が変わる時や、
独立して新しい事業を始める時、
学生を卒業して社会人になる時など、
様々な変化の時に、
お世話になった人や、
大切な人、
これから新しい場所で頑張れという時など、
様々な立場の人達が、様々な立場の人へ、
贈り物として
このメーカーのペンを贈るようになりました。
なくなってしまった文化が
別の形で新たな文化に生まれ変わる
そうやって少しずつ形を変えて、
人々の思いは受け継がれて行く…。