言葉

日常のひと休みに

感情眼鏡

それをつけていると、

自分の感情に合わせて

フレームの色が変わる眼鏡が作られた。

怒りの時は赤、哀しい時は青、というように…

はじめは喜怒哀楽のような感情だけで

作られていたものが、

より様々な感情がわかるように複雑になった。

これまで、

顔色をよみ、

空気をよんでいたものが

眼鏡のフレームをみただけでわかるようになり

便利になった。

感情を隠したければ眼鏡を外せばいい。

言葉にするのが難しかったことも

眼鏡をつけるだけで

伝えることができるようになった。

しかし、

より精密になった眼鏡は

複雑な色をしめすようになった。

今度は眼鏡の色を判断することが

難しくなり、

眼鏡をつけていても、

眼鏡がなかった頃と同じになり

眼鏡の色を見る人も

眼鏡をつける人もいなくなった。

しかし、

今でもその眼鏡はあるという…。

もしかしたら、

誰かに告白したい人が

その眼鏡をつけているかもしれない…。

それが、どんな色をしているのかは…

ここでは秘密にしておこう…。

それは

各々が実際に確認してみてほしい…。