言葉

日常のひと休みに

破顔

 「花も笑うんだ…」

って言ったキミは、顔をほころばせて、にっこり笑ってた。

ワタシが

「破顔だ。」

って言ったら、

キミは

「何それ。」

って言って、すぐに少しムスッとして、携帯を見てた。

 そして、

「破顔なんて、なんか女の子に使う表現みたいでイヤだ。」

って言った。

 

 

 君はあの時、僕に花も笑うって、人以外も笑うことができるってことを教えてくれた。

まるで『君の笑顔みたいだ』と言ってみたかったけど、なんだか照れくさくてやめた。

 何が、破顔だよ

それは君の方だろと、僕は思ったけど、素直に言えなかった…。

 

 

 そして、

きみは、いなくなった…