言葉

日常のひと休みに

こんな日は・・・

雨が鼻先にあたってはじけた。

 

昔、おじいちゃんから聞いた話。

世界の秘密、ないしょないしょのお話。

 

 その日は夕方からとてもすごい雨が降った。

とっても大きな音、まるで空から攻撃されてるみたいだった。稲妻が空を切り裂いて、そしたら真っ暗になった。とっても怖かった。

 すると、じいちゃんが隣で話をしてくれた。

      

 

       雨の話

 雨は、空のお星さまが大地に降りて来ることなんだ。

 夜空のお星さまは、雨と一緒に大地に降りてくる。だから、雨あがりの朝はあんなにキラキラしている。

 そして、雨は大地にもぐったり、川に流れたりして、海へと行く。

 だから、海はいつもキラキラしているんだ。

 雨の日はお星さまの休日だ。雨の夜だけお星さまはお休みできるんだ。

 海に行ったお星さまは、また海の真ん中で雲になって空に帰るんだ。

 

 

 じいちゃんに『世界はすごいね』って言ったら、この世界は目に映らない世界と繋がってるって言ってた。風も、水も、大地も、世界と繋がっているって。

 昔はそういう事を知ってる人がたくさんいたけど、戦争っていうのが起きてから、そういう人達がとても少なくなってしまったんだって。

 じいちゃんは少し遠くを見ながら、そう言ってた。そして、こっちを見て少し寂しそうに、でも優しく、笑っていた。